2010年5月31日月曜日

ルーツ を読んで 6

 アフリカ各地から生きながらえ、辿り着いたアメリカ。逃げ出すことができない、苛酷で悲惨な奴隷としての人生が、何代にも続くことになる。
 自由、言葉、権利、信条、アフリカの文化のすべてを奪われ、棄てられ、押し付けられる。自分の名前さえも捨て去られ、勝手に付けられる。
 クンカ・キンテも、奴隷として荒野の農園に売られ、何度も逃げようと試みるが、捕まり、結局は銃で撃たれ、足を斬られてしまう。逃げられたとしても、到底、故郷のジュフレ村には帰ることが叶わない立場を受け入れざるを得ない。
 そうしたなかでも生きていく術を模索し、身につけていくしかない。
 コトバを失うということは、他とのコミュニケーションの大きなものを失うだけではなく、自分の思考、アタマとココロを失うことになると思う。

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