2010年6月9日水曜日

ルーツ を読んで 7

 クンカ・キンテも生きるために、白人を憎み、恨み、自己と葛藤しながらも、英語を知らざる、覚えざるを得なくなる。自分がどんな状況にあるのか、これからどうなるのか、世の中(農園の外)で何が起きているか、どうすれば逃げられるのか。
 物語のなかで、クンカ・キンテが、ふと我に返ると、母国語のマンディカ語を忘れていることに気づく。日々を生き抜くなかで、いつの間にか、言語や思考が英語になり、故郷の懐かしい記憶も薄れていく。自分が、ジュレフ村で過ごした生活文化や言葉などを忘れないように、また、自分がどこの誰であるかを伝えるために、子や孫に語っていく。

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