1巻の後半からは、読むのがつらい。悲しく惨たらしい、残酷な奴隷の状況を知ることになる。
いきなり暴行を受け、捕まり、手枷、足枷を付けられ、無茶苦茶までに鞭を打たれ、そのまま船に乗せられ、暗く不衛生な船倉に、何一つの自由がなく、かなり大勢の、そして、いろいろな部族、言葉が異なる部族の黒人たち(容姿も違えば、村の数だけ言葉がある)が詰め込まれて、何十日間も、想像を絶する恐怖と劣悪な環境にさらされる。
肉体も精神も極限なんてものではないだろう。無理矢理、自由と尊厳を奪われ、愛する家族と故郷からも引き離され、暴行を受け、侮辱され、その憤りと怒りをぶつけることもできず、未来はなく、次の一刻先も見えず、生きていること自体が理にかなわなくなってしまう。
こうした黒人狩りが、アフリカの各地で行われ、また、アジア大平洋地域、ラテンアメリカでも、植民地化が進められたことを思うと、やるせないし、無知な自分も恥ずかしい。
March 30, 2023
1 年前
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